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2022.12.02
記事

アーキテクトの年収は? 仕事内容や将来性・キャリアアップを解説

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ITシステムをグランドデザインするアーキテクト。 様々な企業や官公庁でDXが急速に推進される昨今、アーキテクトの需要はさらに増しています。

この記事では、アーキテクトの仕事内容やキャリア、年収などをエンジニア向け給与データベースサービス『PROJECT COMP』のデータを基に解説します。

アーキテクトの年収

はじめに、アーキテクトにまつわる年収水準を、『PROJECT COMP』のデータを基に解説します。2022年10月4日時点で、アーキテクトのデータ数は35件。平均年収、中央値は以下の通りです。
※PROJECT COMPの統計データは2022年10月4日時点のものです。

平均年収:1,240万円
中央値:1,043万円

アーキテクトの平均年収は、『PROJECT COMP』に登録されている職種データの中で最も高くなっています

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(参照:PROJECT COMP

アーキテクトの年収統計グラフは、以下の通りです。

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(参照:PROJECT COMP

アーキテクトの構成データのうち、最も低い年収は370万円(社会人歴15年目)、最も高い年収は2,450万円(社会人歴15年目)と登録されています。

年収のボリュームゾーンは858万円から1,398万円となっており、年収データの8割が628万円から2,025万円に分布しています。アーキテクトの、社会人歴別の年収平均値は以下の通りです。

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(参照:PROJECT COMP

9年目:1,200万円
11~14年目:980万円
15年目~:1,170万円

社会人歴と年収の大きな相関関係はみられませんでしたが、データの登録数は15年目〜が突出して多くなっていることが分かります。アーキテクトは職務の中で高度なスキルや豊富な開発経験を求められることも多く、相当程度社会人歴も必要になると考えられます。

以下はアーキテクトの平均年収/中央値を企業別に示したものです。

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(参照:PROJECT COMP

アマゾンウェブサービスジャパン株式会社:1,480万円/1,400万円
アクセンチュア株式会社:860万円/880万円
株式会社ディー・エヌ・エー:1,670万円/---万円

企業により、2倍近く差があります。いずれにしても、アーキテクトは高い年収を誇ることがわかります。

アーキテクトの仕事内容

アーキテクトは、主にITシステムの全体像を企画・設計する役割を持ちます。SIerやIT系事業会社、コンサルティングファームなどに所属しています。

アーキテクトの専門分野

アーキテクトは、経済産業省が定めたITスキル標準(ITSS)に以下のような専門分野が定められています。
(参照:職種の概要と達成度指標 |独立行政法人情報処理推進機構| IPA

アプリケーションアーキテクチャ

アプリケーションアーキテクチャは、ビジネスや経営上の課題を分析し、それを解決する機能要件を構成する役割を持ちます。システム内でも主にソフトウェアのアーキテクチャを担当していて、アプリケーションコンポーネント構造や論理データ構造などを設計します。

インテグレーションアーキテクチャ

全体を最適化するという視点から、複数のシステムやアプリケーションを結合・連携する要件を構成する役割を持ちます。企業では複数のシステムが稼働しているため、互いのシステム間でデータや機能を連携させることが重要です。結合・連携の仕様を考え、データのやり取りや機能を呼び出すインターオペラビリティの設計などをします。

インフラストラクチャアーキテクチャ

ビジネスや経営上の課題を分析し、それを解決するシステム基盤要件を構成する役割を持ちます。サーバーやネットワーク、仮想化、クラウドなど、システムの土台となるインフラの設計を担当します。セキュリティを考えたプラットフォームを設計する必要があるため、企業のシステムやアプリケーションを支える重要な役割を担っています。

アーキテクトに必要なスキル

アーキテクトとして活躍する場合、以下の11個のスキルが必要であるとITSSに記載されています。それぞれのスキルについて、説明します。
(参照:スキル領域とスキル熟達度 |独立行政法人情報処理推進機構| IPA

設計技法

システム開発全体の開発標準として、最適なモデリング技法や使用言語・フレームワークなどを選択し、ITアーキテクチャを設計するスキルです。

標準化と再利用

開発標準の定義や既存モジュールの再利用で、効率的・高品質なITアーキテクチャを設計するスキルです。

コンサルティング技法の活用

最適なコンサルティング技法を活用し、プロセスを実施し成果物の定義と作成を行い、ITアーキテクチャを設計するスキルです。

知的資産管理活用

知的資産をデータベース化し、活用したり維持や管理をしたりして効率的で高品質なITアーキテクチャを設計するスキルです。

テクノロジ

IT業界の技術動向や技術の将来性を調査・把握し、ITアーキテクチャを設計する上で技術的な提案を行うスキルです。

インダストリ(ビジネス)

関連する業界動向の把握や関連業界のビジネス標準を理解・把握し、ITアーキテクチャを設計する上で技術的な提案を行うスキルです。

プロジェクトマネジメント

ITアーキテクチャ設計に関して、プロジェクト計画の策定・計画の実施・変更の管理などを行い、プロジェクトを成功させるようマネジメントするスキルです。

リーダーシップ

ITアーキテクチャの設計チームを指揮管理し、プロジェクトを成功に導くスキルです。他の職種に対しても技術面の指導を実施します。

コミュニケーション

ITアーキテクチャ設計に関する技術的な説明やコミュニケーションを行うスキルです。ITアーキテクチャは設計したアーキテクチャを関係者に理解してもらうため、情報を分析・整理してまとめる力が求められます。

ネゴシエーション

ITアーキテクチャ設計に関して関係者と交渉し、合意を得るスキルです。ユーザーの要件と、設計したアーキテクチャで満たす要件をすり合わせます。

アーキテクトの将来性とキャリア

アーキテクトでキャリア形成を考える場合、アーキテクトの将来性や、キャリアの選択肢を理解しておくことが重要です。ここでは、アーキテクトの将来性とキャリアについて代表的なものを説明します。

アーキテクトの将来性

アーキテクトはDXの需要から見ても将来性があると考えられる職種です。アーキテクトは、データサイエンティストなどとともに情報処理推進機構(IPA)に「DX推進人材」の1つとして定義されていますが、現在大幅に不足しています。

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一方で、DXの推進に積極的な企業は増加しています。2021年度に517社を対象に行った一般社団法人日本能率協会の調査では、DXの「検討を進めている」「これから検討する」割合は46.6%でした。

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現在は大企業を中心にDXが進められていますが、今後中小企業にもDX推進が拡がっていくと予想されます。DX推進が拡大すると、さらにアーキテクトの需要も高まるでしょう。

アーキテクトのキャリア

アーキテクトは、高度なスキルと専門性を身につけることができるため、キャリアの選択肢も非常に多岐にわたります。ここでは、アーキテクトが目指せるキャリアの例をいくつか紹介します。

ITコンサルタント

アーキテクトは、ITの側面から企業の経営戦略を実行するITコンサルタントを目指すことも可能です。コンサルティングファームにおいても、経営戦略を実行でき、かつシステムのグラウンドデザインを設計できる人材は需要が高いと考えられます。

CTO

システムのグランドデザインを設計するアーキテクトであれば、技術で会社を牽引するCTOのキャリアも目指せるでしょう。例えば、スタートアップ企業のCTOへの転職や自身の知識が深いソリューションを導入している会社のCTOへのキャリアなどが考えられます。

フリーランス

スキルや職種といった切り口とは若干異なりますが、フリーランスとして独立するキャリアもあります。アーキテクトはIT分野に精通し、高度なスキルが必要となるため独立後も高い年収を見込むことができるでしょう。

まとめ

様々な企業や官公庁でDXの流れが加速している一方で、アーキテクトは慢性的に不足しており、今後もアーキテクトの需要は非常に高いと考えられます。 『PROJECT COMP』では、その他にも様々な統計データが記載されています。転職やスキルアップの参考として、是非活用してみてください。
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