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2022.02.09
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Webフロントエンドのスキルの年収は? 需要や将来性を解説

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誰もがスマートフォンやパソコンを介して情報を得ることが当たり前になった今、 WebサイトやWebサービスの制作を担うフロントエンドエンジニアの存在は欠かせません。 ここではWebフロントエンド開発に関する年収事情や、世の中の需要の変化、将来性について紹介します。

※この記事で使用するPROJECT COMPの情報は2022月1月30日現在のものです

エンジニアの実データから見るWebフロントエンドの年収

はじめに、Webフロントエンドのスキルにまつわる年収水準を『PROJECT COMP』のデータを基に解説します。 2022年1月30日時点で、Webフロントエンドをメインスキルに設定しているデータの数は85件。 そのうち年収平均、中央値は以下の通りです。

  • 平均年収:660万円
  • 中央値 593万円
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(参照:PROJECT COMP

スキルデータのうち、平均年収の最低値はゲームクライアント(600万円)、次にテスト(610万円)、 その次にWebフロントエンド。中央値はテスト(512万円)の次にWebフロントエンドとなるため、 Webフロントエンドの年収はPROJECT COMPの登録データの中では決して高くはないことが分かります。

Webフロントエンドの年収統計は以下の通り。なお、Webフロントエンドスキルの構成データのうち、 最も低い年収は225万円(社会人歴1年目)、最も高い年収は1,440万円(社会人歴15年以上)と登録されています。Webフロントエンドのスキルを持つユーザーの社会人歴と、平均年収/中央値の関係は以下の通りです。

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(参照:PROJECT COMP

Webフロントエンドのスキルを持つユーザーの社会人歴と、平均年収/中央値の関係は以下の通りです。

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(参照:PROJECT COMP

1年目:440万円/450万円
2年目:450万円/450万円
3年目:650万円/540万円
4年目:560万円/540万円
5年目:610万円/640万円
6年目:1100万円/840万円
7年目:660万円/640万円
8年目:680万円
9年目:660万円
10年目:550万円/610万円

基本的には社会人歴を重ねるごとに年収も上がるものの、 「3年目」ではマネジャー職を担うユーザーの年収が平均を押し上げるなど、 3年目以降からキャリアやサブスキルによって年収の差が開き始める傾向にあることが分かりました。

以下は、Webフロントエンドのスキルを持つエンジニアの平均年収/中央値を企業別に示したものです。

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(参照:PROJECT COMP

LINE株式会社:770万円/800万円
株式会社メルカリ:910万円/885万円
株式会社ゆめみ:600万円/620万円
ヤフー株式会社:460万円/511万円

など、企業によって年収に大きく開きがあることが分かります。

Webフロントエンドの仕事内容

WebフロントエンドとはWebサイトやアプリケーションなどのうち、 ユーザーの目に触れる部分(フロントエンド)を設計・構築するスキルを指します。 ユーザーの目に触れないサーバーやネットワークなどのシステム開発は、バックエンドエンジニアが担います。

Webフロントエンドのスキルを用いた仕事

Webフロントエンドのスキルを扱う職種には以下のようなものがあります。

コーダー

Webデザイナーがデザインしたデータを基に、マークアップ言語であるHTML、スタイル指定を行うCSSを用いてWebサイトの制作を行う職種です。

フロントエンドエンジニア

上記に加え、JavaScriptを用いたコーディングや、SEO対策、APIの実装など、フロントエンド部分の広範囲を担います。

Webフロントエンドに関わる言語や技術

Webフロントエンドのスキルを活かして活躍する場合、以下のような言語や技術に対する深い知識が求められます。

HTML、CSS、JavaScript

HTMLは文章にタグを付けることにより、「見出し」や「太字」、 「マーカー」といった情報構造を指定することができる言語です。CSSはHTMLで指定したものに対し、 色やサイズなどの装飾情報を指示します。JavaScriptはアニメーションやGoogleマップの埋め込み、 ショッピングカート機能などサイト上にさまざまな動きを付けることができます。

CMS

CMS(Contentsnagement System)とは、テンプレートを用いたWebサイトの制作や、 管理・運用が容易にできるシステムのことを指します。代表的なものに「WordPress」が挙げられ、 調査会社W3 Techsの調査によると世界の市場シェア43.3%を占めています。

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UI/UX

近年、Webサービスやアプリが急増したことで「単純にモノがあるだけでは選ばれない」という意識が強まり、 UX(ユーザーエクスペリエンス)に配慮したUI(ユーザーインターフェース)を重視する企業が増えています。 UI/UXの知見を用いた設計ができるようになると、フロントエンドエンジニアとして重宝されるでしょう。

Webフロントエンドの将来性とキャリア

Webフロントエンドのスキルを軸にキャリア形成を考える場合、 スキルの将来性や、キャリアプランの選択肢を理解しておくことが重要です。

今後も需要が見込めるWebフロントエンドのスキル

結論から言うと、Web関連の技術が多く求められている現代において、Webフロントエンドのスキルの需要は今後も高まることが予想されます。

プログラミング技術に関するナレッジコミュニティ『Stack Overflow(スタックオーバーフロー)のデータを見ると、Most Popular Technologies(最も人気のあるテクノロジー)のプログラミング、スクリプト、 マークアップ言語の項の「プロの開発者」による回答において、Webフロントエンド開発の言語である JavaScript、HTML、CSSが3年連続上位に位置していることが分かります。

特にJavaScriptは9年連続で「最も一般的に使用されるプログラミング言語」に選ばれ続けており、 世界中の開発者のうち約70%が使用しています。

この点からも、Webフロントエンドのスキルの人気の高さが見て取れます。

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一方で、同じくStack Overflowの2021年度調査のうち、Top paying technologies(最高額を支払っている言語)の項において、HTML / CSSとJavaScriptは38言語中下から数えて7番目と10番目に位置しており、他の言語と比較して給料水準が高いとは言えません。

さらにこの数年、ITスキルを持たない人でも簡単にWebサイト、アプリが作れるノーコード・ローコードサービスが台頭。 国内でもYappli、ペライチなどの企業スタートアップが資金調達に成功するなど勢いを増しています。
(参照:ヤプリ、総額30億円の資金調達を実施
(参照:ホームページ制作SaaSを運営する株式会社ペライチ、ラクスル株式会社から4.9億円の資金調達を実施

これらのことから、Webフロントエンドのスキルは人気で需要もあるものの、他の言語と比較して給料水準が高いとは言えないこと。 そして今後ますますノーコード・ローコードが普及した際に、 単純な案件などがこれらに置き換えられる可能性も頭に留めておく必要があります。

Webフロントエンドのスキルを用いて年収アップやキャリアアップを狙うのであれば、応用力を付け、ハイレベルなWeb系エンジニアを目指すことが重要です。

Webフロントエンドのスキルを用いて年収アップを狙うには

上記を踏まえて、Webフロントエンドのスキルを活かしながらキャリアアップ・年収アップを目指す方法をいくつか見てみましょう。

「年収1,000万円以上」のエンジニアの例に見るWebフロントエンドのキャリア

まずは、PROJECT COMPでメインスキルを「Webフロントエンド」と登録しているユーザーのうち、 年収1,000万円を超える6データの傾向から、Webフロントエンドのスキルを用いて高年収を目指す方法を探ります。

6データの傾向を見ると、社会人歴は最低で4年以上。 加えて、6データ中5データがサーバーサイド開発、iOS、Androidなどのサブスキルを持っていることが分かりました。

一方、職種はプログラマーやソフトウェアエンジニアと設定している人が多数で、 マネジメント職(プロダクトマネージャー)は1データのみでした。

スキルデータ一覧を見ても、サーバーサイド開発の平均年収は760万円と、Webフロントエンドと比較し100万円も高く、 フロントエンドからバックエンドまで一通りの開発を担うフルスタックにおいては平均年収が960万円という高い数値が出ています。

ここまでのデータから、Webフロントエンドのスキルをメインで扱いながらキャリアアップ・年収アップを目指したい人は、 まずは着実にエンジニアとしてのキャリアを重ねながらも、サーバーサイド開発のスキルを身に付けたり、 データベースの扱い方を勉強したりするなど「スキルの掛け合わせ」によって自身の希少性を高めることが有効だと言えそうです。

年収アップには、「転職」も一つの選択肢

近年は業界問わずエンジニアの需要が非常に高まっていることから、一定のスキルを有したエンジニアに対し、高額で転職オファーを出す企業も以前に比べ増えてきています。

そのため、「同じ会社で昇給することを待つよりも、転職をした方が年収が上がりやすい」というケースもあるようです。

実際に、2022年5月に転職支援プラットフォームの「Forkwell」がリリースした「あなたは上位何%?ITエンジニアの年収分布まとめ【データベース完全公開】」の記事では、「同世代で比較しても、転職回数が増えるごとに20~40万円ほど給与が高くなる」ことが、IT/Webエンジニア1万人分のデータから導き出されています。

ただし、企業からより良い条件で年収提示をしてもらうためには、当然ながら実績やスキルの証明が欠かせません。

まずは自身のスキルレベルや市場価値がどの程度なのかを、周囲のエンジニアや、PROJECT COMPのデータと比較しながら探ってみるのがおすすめです。

まとめ

今回はWebフロントエンドのスキルについて、年収や仕事内容、将来性を紹介しました。PROJECT COMPでは登録情報が日々更新されていきます。最新データはぜひPROJECT COMPからチェックしてみてください。
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