サーバーサイドスキルの年収は?需要や将来性を解説

DX(デジタルトランスフォーメーション)が進み、世の中ではエンジニア不足を嘆く声が度々聞こえてきます。バックエンドシステムの開発を担うサーバーサイドエンジニアは、システム開発にもDXにも欠かすことのできない存在です。
ここではサーバーサイドのスキルにまつわる年収事情や仕事内容、将来性を紹介します。
サーバーサイドの年収
まずは、サーバーサイドの年収水準を『PROJECT COMP』のデータを基に解説します。
2022年2月時点で、サーバーサイドをメインスキルに設定しているデータ数は389件。平均年収と中央値は、以下の通りです。
- 平均年収:760万円
- 中央値:670万円

次に、サーバーサイドの年収統計は、以下の通りです。
サーバーサイド全体の年収ボリュームゾーンは550万円から850万円。年収データの8割が431万円から1,175万円に分布しています。サーバーサイドの構成データによると、最も低い年収は220万円(社会人歴3年目)で、最も高い年収は2,600万円(社会人歴15年目〜)でした。


2年目:510万円/538万円
3年目:620万円/615万円
4年目:680万円/584万円
5年目:780万円/698万円
6年目:720万円/740万円
7年目:820万円/750万円
8年目:850万円/715万円
9年目:980万円/900万円
10年目:810万円/820万円
社会人歴3年目〜5年目までは順調に年収額が上がっていますが、8年目〜10年目では年収額が上がりにくくなるように見えます。
以下は、サーバーサイドをメインスキルに登録しているユーザーの平均年収と中央値を、企業別に示したものの一部です。

LINE株式会社:1,040万円/900万円
株式会社ミクシィ:690万円/623万円
株式会社メルカリ:1450万円/1480万円
株式会社グリー:840万円/740万円
上記はほんの一部ですが、企業によって年収額がさまざまであることがわかります。特に幅広い分野で事業を展開している企業は、給与が高くなりやすい傾向がありそうです。
サーバーサイドの仕事内容
『PROJECT COMP』では、サーバーサイド開発のスキルを、WebサーバーやAPIサーバー、ミドルウェア(ネットワーク等)などを含むバックエンドシステムの開発を行うスキルだと定義しています。
サーバーサイドのスキルを用いた仕事
サーバーサイドのスキルを扱う職種には、サーバーサイドエンジニアやネットワークエンジニアなどがあります。
サーバーサイドエンジニア
サーバーサイドエンジニアの担う範囲は開発環境やプロジェクトの規模によって異なりますが、主にサーバー側で行う処理に必要なプログラムの設計・開発を担当します。
ネットワークエンジニア
構築されたサーバーを用いて、ネットワークシステムの構築や保守・運用を行います。
サーバーサイドに関わる言語や技術
サーバーサイドに関わる言語や技術には、下記があります。
サーバーサイド言語でのプログラミング
サーバー側で行う処理の開発には、サーバーサイドのプログラミング言語を用います。例として「Python」や「Java」「C#」などがあり、それぞれの言語によって使われやすい分野が異なります。
例えばPythonは、機械学習やデータ分析に用いられることが多い言語です。Javaは実行速度の速さと安定性から、大規模なシステム開発や金融系の基幹システムの開発に使われることが多いです。C#は、クロスプラットフォームという異なる実行環境でもアプリケーションを動かすことができます。そのため、モバイル開発で使用されることも少なくありません。
このように、言語によって向いている環境・向いていない環境があるため、プロダクト開発の際には言語の知識をつけることが必要となります。
サーバーに関する知識
サーバーサイド開発には、WebサーバーやAPIサーバーなどのサーバーに関する知識も必要です。小規模なWeb開発の現場では、インフラの専任者を設けずにサーバーサイドエンジニアがサーバー領域を担うことがあります。
ApacheやNginxなどのWebサーバー、Amazon EC2のようなクラウドサーバーに対する知識を付けておくのがおすすめです。
サーバーサイドの将来性とキャリア
サーバーサイドのスキルを軸にキャリア形成を考える場合、スキルの将来性やキャリアプランの選択肢を理解しておくことが重要です。
サーバーサイドの将来性
『Stack Overflow』の「高い給与と関連のある言語ランキング」では、上位5位までサーバーサイド開発を主とした言語が占めています。
1位:Perl
2位:Scala
3位:Go
4位:Rust
5位:Ruby
(参考:デジタル産業に関する現状と課題 | 経済産業省)
サーバーサイドのキャリアの選択肢
上記を踏まえて、サーバーサイドのスキルを軸にキャリアや年収を積み上げていく方法を、『PROJECT COMP』の登録データから分析しました。
『PROJECT COMP』でメインスキルを「サーバーサイド」と登録しているユーザーのうち、年収1,000万円を超える15個の構成データについてみていきます。
社会人歴は最低3年目以上、15データ中4つがインフラやSREなどのサブスキルを持っていることがわかりました。
また、職種はソフトウェアエンジニアやソフトウェアエンジニアリングマネージャー、プロダクトマネージャーが設定されており、エンジニアとマネージャー職の割合は8:7とほぼ同数でした。
以上のことから、まずはサーバーサイドのスキルを軸にソフトウェアエンジニアとしてキャリアを積み重ねることが大切だと言えそうです。
また、スキルデータ一覧の「その他」を除いた13スキルを見てみると、フロントエンドからバックエンドまでの開発を一手に担う「フルスタック」の平均年収960万円がもっとも高い平均年収であることがわかります。
次点は機械学習やAI領域の開発をおこなうML/AIの平均年収870万円です。
まとめ
サーバーサイドのスキルにまつわる年収や仕事内容、将来性を紹介しました。サーバーサイドは、これからも需要が高いことが見込まれます。
ここには載せきれなかったデータもたくさんあるため、ぜひ『PROJECT COMP』をチェックしてみてください。