Jupyter Notebookとは?python開発ツールとして初心者にもおすすめの統合開発環境

pythonプログラムでは、多くの機械学習用ライブラリが利用可能となっており、機械学習を語る上ではpythonの存在は欠かせません。
ここでは、pythonの開発環境として話題のJupyter Notebookについて、そのインストール方法や使い方について紹介します。
Jupyter Notebookとは
はじめに、Jupyter Notebookの概要や歴史、その人気度について説明します
Jupyter Notebookとは
Jupyter Notebookは、任意のブラウザ上で動作する対話型のプログラム実行環境です。 ブラウザで動作するため環境構築が容易で、初心者や非エンジニアにも使いやすい利点があります。

Jupyter Notebookの歴史
Jupyter Notebookは2015年にリリースされた比較的新しい製品です。元々はPython向けの対話型コンソールとして、IPythonが2000年代初頭にリリースされており、それを改良したIPython Notebookが2011年にリリースされました。
さらにこれが改良され、プログラミング言語に依存しないようにしたものがJupyter Notebookです。
Jupyter Notebookの特徴、強み
Jupyter Notebookはプログラミング初心者にとって取り掛かりやすい開発環境です。しかし、簡単であるが故にある程度の制約も持ち合わせています。ここではJupyter Notebookのメリット、デメリットについて説明します。
Jupyter Notebookの特徴
Jupyter Notebookの特徴は下記の3点です
ブラウザで動作する
Jupyter Notebookはブラウザ上で動作するため、特別なアプリをインストールする必要がなく、環境を整えやすいのが特徴です。初心者や非エンジニアにとっては特別な環境を用意する手間が省け、取り掛かりやすいと言えるでしょう。
オープンソースであり、無償利用が可能
他のpythonプログラミング用IDE(統合開発環境)は有料のものであったり、便利な追加機能を使用する場合に費用が発生するものが珍しくない中、Jupyter Notebookは全て無償利用が可能です。
対話型環境
Jupyter Notebookは実行結果がすぐに出力される対話型環境なので、トライ&エラーを繰り返しやすいのもメリットです。
Jupyter Notebookでできること、できないこと
できること
Jupyter Notebookでは、一通りのPythonプログラミングが可能です。また、言語はPython以外にもRubyやR、Goといった40以上の言語がサポートされています。
プログラムの作成、実行以外にも、その名の通りNotebookとしての活用もできます。単純にメモの作成、保存もできますし、数式や行列式、表の作成、マークダウン形式での記述にも対応しています。
できないこと
逆に、Jupyter Notebookでできないこととしては、ブラウザ以外での実行です。ブラウザで動作する前提のため当然ではありますが、例えば調べ物をしながらコーディングしたい場合にブラウザのウインドウを分割する必要があるなど、使用方法によってはデメリットになることがあります。
Jupyter Notebookのメリット、デメリット
メリット
Jupyter Notebookは無料にも関わらず、豊富な機械学習用ライブラリが用意されており、初心者からベテランまでが気軽にプログラミングを実施できる点がメリットです。さらに、商用利用についても全く制限がかからないという点も嬉しいポイントです。
また、Notebookの一面も持ち合わせているため、報告書等にまとめる際にも重宝します。
デメリット
Jupyter Notebookをpythonのプログラミングに用いるという観点からはほとんどデメリットは見つかりませんが、ターミナルを起動させ、その上でJupyter Notebookの起動コマンドを入力する必要があることと、やや起動に時間がかかる点が、他の開発環境と比較するとデメリットと言えるでしょう。
Jupyter Notebookの使い方
続いてJupyter Notebookを利用してpythonプログラミングを行うまでを説明します。
動作環境
Jupyter NotebookはWindowsでもMacでもLinux系でも動作可能です。必須のマシンスペックは実質的に無いと言えますが、機械学習プログラムの動作速度は使用しているマシンスペックに依存しますので、ある程度のGPUパワーがあることが望ましいです。
インストール方法
ユーザーの多いWindowsおよびMacを対象に、それぞれのインストール方法を説明します。
Windows
まずはPython3をインストールします。
Microsoftストアにおいて「Python3」で検索するとPython3系の最新版が表示されるため、インストールします。

続いて、コマンドプロンプトを起動し、下記のコマンドを入力します。
pip install Jupyte
これでインストールは完了するため、下記のコマンドで起動します。jupyter notebook
Mac
続いて、Macの場合も説明します。 まずは、Windows同様にPython3をインストールします。ただし、その前段階として、Homebrewをインストールする必要があるため、ターミナルを起動し、下記のコマンドを実行してください。
/usr/bin/ruby -e "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install)"
これにより、brewコマンドが使用可能となったため、Python3のインストールのために、下記のコマンドを入力してください。brew install python3
これで、python3のインストールが完了したため、Jupyter Notebookをインストールします。コマンドは下記の通りです。pip install jupyter
これでインストールは完了するため、下記のコマンドで起動します。jupyter notebook
まとめ
Jupyter Notebookはブラウザで動作可能なため、インストールも簡単で、初心者や非エンジニアにとって手軽に使えるPython開発環境です。
また、オープンソースのため商用利用も含めて無料であるにも関わらず、豊富な機械学習用ライブラリも備えており、Pythonプログラミングが非常に捗ります。
さらに、単なるプログラム実行環境ではなく、Notebookとしての一面も併せ持っており、数式やマークダウンの記述を駆使して、報告書作成における心強いツールとしても力を発揮します。
Pythonのスキルを広げていきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。