Reactはどんなライブラリ?基礎知識から特徴まで解説!

JavaScriptには多くのライブラリが存在しています。様々なライブラリが用途ごとに提供されており、その中にはユーザーインターフェースに特化したものも開発されています。
今回の記事では、ユーザーインターフェース構築用のライブラリとして、Meta社(旧Facebook)より提供されているReact.jsについて、基礎的な情報から、特徴、メリット・デメリット、利用方法などを紹介していきます。
Reactはどのようなライブラリ?
Reactとはフレームワークやプラットフォームではなく、Meta社(旧Facebook)が開発した、ユーザーインターフェースを構築するためのJavascriptライブラリです。ReactはJavaScriptで構成されており、React.jsの名前で活用されています。現バージョンはv17.0.2で、機能の更新やマイナーチェンジが日々行われています。
Reactの大きな役割は、ユーザーインターフェースを構築することにあります。機能の追加や規模が大きくなるごとに、管理が難しくなっていたコードを簡略化しやすくすることが可能です。また、Reactは内部で状態を管理しているため、情報の反映がすぐ行えるといえるでしょう。
Webアプリケーション開発に利用されるReact.jsですが、モバイル用ネイティブ言語として「React Native」という言語も存在しています。React.jsがマルチプラットフォームで動作させることができるのに対して、iOSやAndroidのネイティブアプリケーションを制作できるのが「React Native」です。

Reactの特徴とメリット・デメリット
Reactはコンポーネントという単位での管理や、ユーザーインターフェースを構築しやすくするためのJSXという機能を利用することが可能です。また、Reactは状態の保持をすることができることによって、描画に対するメリットが得られます。
ReactはJSXなど、描画に対して効果的な機能があるものの、それがデメリットになる状況もあるため、理解が必要です。順番に解説していきます。
Reactはコンポーネントを組み合わせてUIを作る
コンポーネントとは、ユーザーインターフェースの一部分を切り出した一単位です。コンポーネントはコードを含むこともできます。ユーザーインターフェースが部分的に存在していることで、必要な箇所に再利用することを可能にしています。
また、React.jsではJSXという機能を利用することができます。JavaScriptは基本的な利用ではHTMLを記述することはあまり想定されていません。言語を利用することでDOMの生成などは可能ですが、直接の記述となるとまた別の方法が必要となります。
しかし、それを可能にするのがJSXです。利用することによって、JavaScript内部にHTMLを記述することができ、分割されたユーザーインターフェースが作成できるのです。再利用できることで、保守管理、修正だけでなく複雑な構成を作ることを可能にします。
Reactは状態の保持が可能なため、描画の更新が容易
Reactは内部での状態保持が可能です。JavaScriptのオブジェクトとして、propとstateがあります。コンポーネントへ状態の情報を渡す役割をしているのがpropだとすると、stateはコンポーネントの中で情報管理を行うのが役割です。
コンポーネント内部の情報に変化が起こると、まずはpropによってコンポーネントに対して情報が渡されます。stateは渡された情報を保持し、更新されるのです。これだけでは情報が更新されただけで描画までは行われません。
React.jsでは、render関数によって定期的に描画が更新されます。この機能によって、stateに保持された情報が容易に描画されます。また、ReactはJavaScriptライブラリのためCSSとの親和性もよく、効果的に反映することができます。
Reactライブラリを利用するメリット・デメリット
ReactはJavaScriptライブラリであるため、HTML内部に直接記述することで利用できます。つまり複雑な開発環境を用意する必要がないということです。開発者の観点から考えるとすぐに利用できることやHTMLに記述ができることは、利用がしやすいといえるでしょう。
Webアプリケーションとして機能を作成できるということは、多くのプラットフォームで利用が可能ということです。しかしReactの利点はそれだけではありません。Reactで作成した機能はReact Nativeにも転用することを可能にしています。
多くのメリットがあるReactですが、活用の条件次第ではデメリットになりえるといえるでしょう。これはReactの機能である仮想DOMがカギとなります。動的なページにおいては更新された情報だけが切り替わるという特徴があり、それを支援しているのが仮想DOMです。そのため、必要な情報だけが更新されるというメリットがあります。
しかし静的なページでは、まず仮想DOMが生成されるため、読み込みが遅くなるといえるでしょう。さらに言えば、静的なページは情報更新がほぼないため、仮想DOMを作成するメリットがほとんどありません。メモリの消費を大きくするだけとなってしまい、結果的にデメリットとなってしまいます。
Reactの利用方法と学習方法、覚えておきたい概念
Reactを学習するためには実践的に利用するのが最も効果的です。そのためにまずはReact.jsを利用する方法を解説していきます。
近年はJavaScriptライブラリをダウンロードして利用する方法だけではなく、CDN、Content Delivery Networkがあります。
また、利用方法とともに、Reactの学習方法や、学習プラットフォームに関する知識も抑えておくのがおすすめです。
加えて、Reactを効果的に利用するためのSPA、Single Page Applicationと呼ばれるWebアプリケーションの構築概念があります。これらの情報を覚えておくことで、今後Reactを利用する時に効果的な学習を行うことができるはずです。
Reactライブラリの利用方法
Reactライブラリは、HTMLの中に記載することで利用することができます。他にもnode.jsを利用してコマンドラインから導入する方法などもありますが、初めて利用するなら最も簡易なscriptタグを利用するのがおすすめです。
JavaScriptライブラリであるReact.jsはHTMLに記述することで、そのまま利用することが可能です。まずは導入してみて、JSXの利用方法を理解したり、簡単なページを作成するのが効果的です。特にJSXは、Reactの中でも使用有無を選択できますが、Reactを利用するならば学んでおいて損はありません。
また別の導入方法として、CDNを利用することで、ライブラリをダウンロードしなくても利用することができます。CDNはオリジナルのサーバーだけではなく、複数のサーバーにアクセスするため、負荷を分散することができるのです。このように、容易にライブラリを利用する方法も存在するため、Reactを学習する際にはさまざまな方法を試してみると良いかもしれません。
Reactの学習方法と合わせて覚えておきたい概念
Reactを学習するプラットフォームは多数存在しています。参考として、以下のような場所で学習することが可能です。
- React公式
- Progate
- Udemy
まず基礎的な情報を学ぶためには、React公式のチュートリアルを見てみるのが効果的でしょう。公式のチュートリアルではReactの基本的な利用方法や、状態管理の方法などの基礎を学ぶことができます。
さらに学習を深めたい場合は、わかりやすい「Progate」や実践に近い「Udemy」の学習プランを選択してみるのもおすすめです。
また、React.jsを利用するにあたってSPAの概念を理解することで、効果的なアプリケーションを作成することができます。React.jsとSPAの考え方は親和性が高く、学習することで効果的なアプリケーション開発を行うことができるはずです。
まとめ
今回はJavaScriptのライブラリであるReactについて、基本的な内容から特徴、メリット・デメリット、利用方法などを紹介しました。環境にあった導入方法や学習プラットフォームを利用することで、Reactに対する理解を深めることができます。今後、実践的な活用を考えている場合は、この記事で紹介した内容を参考にしてみてください。