データサイエンティスト/データアナリストの年収は?仕事内容やキャリアプランについても解説

SNSの普及、AIやIoT技術の発達によりビッグデータという言葉が世界的に普及しています。
それに伴い、ビッグデータを分析する「データサイエンティスト」や「データアナリスト」という職種が注目を集めています。
この記事では、今注目度の高いデータサイエンティスト/データアナリストに着目し、『PROJECT COMP』に登録されているデータサイエンティスト/データアナリストの年収や仕事内容を徹底解説。
これからデータサイエンティスト/データアナリストを目指す人は、ぜひキャリアプランの設計に役立ててください。
データサイエンティスト/データアナリストの年収
2022年6月7日時点で『PROJECT COMP』のデータサイエンティスト/データアナリストのデータは52件。登録データの平均年収は870万円、中央値は750万円です。
国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は約433万円となっており、データサイエンティスト/データアナリストの平均年収はそのおよそ2倍であることが分かります。
年収統計は以下の通りです。

年収のボリュームゾーンは650万円から1,000万円で、年収データの8割が585万円から1,200万円に分布しており、全体的に高水準です。
データサイエンティスト/データアナリストの社会人歴別年収平均値と中央値は以下の通りです。

2年目:610万円
3年目:720万円/710万円
4年目:790万円/720万円
5年目:1,250万円/1,100万円
6年目:790万円
7年目:980万円
8年目:770万円
9年目:データなし
10年目:データなし
11~14年目:980万円
15年目~:1,220万円/910万円
1年目から平均年収が700万円を越えており、キャリアの初期から比較的高収入が見込めると言えそうです。
以下は、データサイエンティスト/データアナリストのスキルを持つ校正データの平均年収/中央値を企業別に示したものです。

株式会社リクルート:710万円
ヤフー株式会社:710万円
株式会社リーン・ニシカタ:750万円
株式会社サイバーエージェント:690万円
株式会社メルカリ:1170万円
データサイエンティスト/データアナリストの仕事内容
データアナリストとは、ビジネスの内容を理解し、適切な分析を行い、課題の特定や解決策の提案を行う職種です。
もう一方のデータサイエンティストは、より専門性を持ってデータの前処理から分析、予測・分類モデルの作成を一貫して実施する職種です。ソフトウェアエンジニアと連携して、予測・分類モデルをシステムに導入・運用することもあります。
データアナリストの仕事内容の詳細
企業が蓄えているビッグデータを分析し、企業の課題を解決するのがデータアナリストの仕事です。組織が抱える課題や、解決方法の種類によってデータアナリストは以下の2種類に分けられます。
コンサル型データアナリスト
ビッグデータの分析結果をもとに、経営戦略やマーケティングなどの課題解決を行います。課題解決の施策のコンサルティングを行うだけでなく、「その施策で課題がどれくらい解決できたのか」などの検証も行います。
エンジニア型データアナリスト
ビッグデータの分析結果をもとに、既存サービスやプロダクトの課題の解決を行います。WebサイトやSNSから収集した情報を解析し、サービスの品質向上に努めます。
データサイエンティストの仕事内容の詳細
「ビッグデータを解析し、課題を解決する」という点ではデータアナリストと同じですが、データサイエンティストはより専門性を持ってデータの解析を行います。
まずは「今回の課題を解決するためには誰からどのようにデータを取得すれば良いのか」というデータ設計を行います。
その後、実際にデータを取得し、分析しやすい状態にする処理を行い、データを解析するアルゴリズムの選定、より精度を高めるためのチューニングを行ったのち、データの解析を行います。
データサイエンティスト/データアナリストを設けている企業の例
データサイエンティスト/データアナリストのどちらに関しても、多くのデータを保有する企業であればあるほど必要とされています。
以下は、データサイエンティスト/データアナリストを設けている企業と、その企業で定義されている職務内容の例です。
データサイエンティスト
・ZOZOグループ
“ZOZOTOWNやWEARのビッグデータから顕在化していない課題を見つけたり、問題設定を定式化したり、課題に対し必要な対処を随時思考し具現化していく必要があります”
(参照:データサイエンティスト / MLエンジニア | ZOZOグループ)
・サイバーエージェント
“課題の発見や施策の提案から、アルゴリズムの開発・評価、システムの設計・実装・テスト・運用までと多岐に渡ります”
(参照:機械学習エンジニア/データサイエンティスト/大規模データ基盤エンジニア | 株式会社サイバーエージェント)
データアナリスト
・メルカリ
“経営直下組織のため経営に直接インプット・提案する機会が多く、メルカリの未来を左右する重要な意思決定を担う仕事です”
(参照:Data Analytics | 採用情報 株式会社メルカリ)
・Yahoo
“全社における重要な取り組み、または実施の可能性がある取り組みについて判断を行うためのデータ分析や提案を担っていただきます(例:経営層からのオーダーされた分析、サービスを横断した分析、投資的判断を行う分析など)”
(参照:データアナリスト - キャリア - 採用情報 - ヤフー株式会社)
データサイエンティスト/データアナリストとして活躍するには
データサイエンティスト/データアナリストを目指す場合、どんなスキルやマインドセットが求められるのでしょうか。データサイエンティスト/データアナリストに必要な能力と合わせて、将来のキャリアについても解説します。
データアナリストに必要な能力
データアナリストには、特に以下の能力が求められます。
統計学の基礎
データ分析を行うために統計学の手法を使用するので、統計学の知識が必要です。また、統計学を学ぶ上で欠かせない確率・統計・微分積分・線形代数の知識も必要です。
ロジカルシンキング
特にコンサル型データアナリストにはロジカルシンキングが必要です。企業の課題解決に向けてビッグデータを正しく整理、分析するためです。
Pythonなどの開発スキル
エンジニア型データアナリストには開発スキルが必要です。ビッグデータを分析するだけでなく、分析した結果を用いて自らサービス、プロダクトを改修し、品質を向上させるためです。
データサイエンティストに必要な能力
データサイエンティストに必要な能力は基本的にはデータアナリストと同じですが、特に以下の能力が求められます。
統計学の深い知識
より効果的なデータを取得するために、誰からどのようなデータを取得するかといったデータ設計を行います。この際にどの手法で分析を行うかなどを加味して考える必要があるため、より深い統計学の知識が必要だと言えます。
機械学習の知識
AIや機械学習を用いてデータを分析することが多いため、機械学習のアルゴリズムの基礎となる「線形回帰」「k近傍法」「k平均法」の理解が必要です。
データサイエンティスト/データアナリストから目指せるキャリアの例
データサイエンティスト/データアナリストの仕事はデータを分析することだけではなく、企業の課題をビッグデータを用いて解決することにあります。
そのためデータサイエンティスト/データアナリストのスキルを応用し、コンサルタントやサービス、プロダクトが成長する仕組みを作るグロースハッカーなどの職種を目指すことも可能になります。
また、将来的にはデータサイエンティスト/データアナリストのチームをまとめるプロジェクトマネージャーを目指すこともできるでしょう。
まとめ
データサイエンティスト/データアナリストは高度で専門的なスキルが必要な職種ではありますが、 これからさらにビッグデータの需要が高まることで、データサイエンティスト/データアナリストの重要性もより増していくことが予想されます。『PROJECT COMP』では、ユーザーの属性をさらに詳しく調べることができます。ぜひ自身の現在のスキルや社会人歴などのデータと比較しながら、今後のキャリアプランの設計に役立ててみてください。