iOSの年収は? 需要や将来性を解説

令和3年度の総務省の調査「デジタル活用の現状」によれば、スマートフォンの世帯保有率は今や8割を超えています。そのうち国内モバイル端末におけるiOSのシェアは6割以上を占めており、国内でのiPhone人気の高さが伺えます
(参照:デジタル活用の現状)
(参照:Mobile Operating System Market Share Japan | Statcounter Global Stats)
そこで今回は、モバイル開発の中でもiOSのスキルに関する年収事情や、世の中の需要、将来性について紹介します。
※この記事で使用するPROJECT COMPの情報は2022月8月7日現在のものです
iOSの年収
はじめに、iOSのスキルにまつわる年収水準を『PROJECT COMP』のデータを基に解説します。2022年8月7日時点で、iOSをメインスキルに設定しているデータの数は65件。そのうち平均年収、中央値は以下の通りです。
- 平均年収:770万円
- 中央値:650万円

iOSの年収統計は以下の通り。なお、iOSスキルの構成データのうち、最も低い年収は390万円(社会人歴3年目)、最も高い年収は945万円(社会人歴9年目)と登録されています。


2年目:1,390万円/601万円
3年目:570万円/585万円
4年目:630万円/580万円
5年目:830万円
6年目:650万円
7年目:1,000万円/830万円
8年目:700万円
9年目:880万円
11~14年目:1,360万円/800万円
15年目~:850万円
例外的に2年目の平均年収が異常に高くなっていますが、基本的には社会人歴を重ねるごとに年収が上がるようです
以下は、iOSのスキルを持つエンジニアの平均年収/中央値を企業別に示したものです。

株式会社ディー・エヌ・エー:810万円/800万円
株式会社ミクシィ:680万円/600万円
株式会社サイバーエージェント:570万円/552万円
企業データ一覧を見ると、企業によって年収に開きがあることが分かります。
株式会社ゆめみは、スマホアプリの受託開発や、開発の内製化支援を担う企業です。株式会社ディー・エヌ・エーでは、ゲームやライブストリーミングなど数多くのアプリ開発を手掛けています。
企業全体の平均年収や各企業のiOSアプリ開発への注力具合などによってiOSの平均年収も異なってくると考えられるでしょう。
iOSの仕事内容
スマートフォンのOSのうち、Apple社が開発したiPhoneの動作を管理しているOSをiOSと言います。iOSスキルを活かした仕事はiPhoneのアプリ開発だけでなく、iPadやMacなども含まれます。
iOSのスキルを用いた仕事
iOSのスキルを扱う職種には以下のようなものがあります。
iOSエンジニア
システム設計やコーディング、テスト、保守など、iOSアプリ開発にかかわる一連の業務を担うのがiOSエンジニアの仕事です。作成するアプリは、ゲームや漫画、求人、ECサイトなど多岐に渡ります。新規のアプリ開発はもちろん、既存アプリの改修、AndroidからiOSへの移植なども行います。
アプリケーションエンジニア
ITシステムのアプリ開発を行うのがアプリケーションエンジニアです。開発するアプリの種類は、スマホアプリ、ブラウザ上で動くwebアプリ、企業向けの業務アプリなどがあります。扱う分野が広いため、ソフトウェアやネットワーク、データベースなど、システム開発に関する広い知識が必要です。
iOSに関連する言語や技術
iOSのスキルを活かして活躍する場合、以下のような言語や技術に対する深い知識が求められます。
Swift
2014年にApple社が発表したプログラミング言語です。iOSやMac向けのアプリ開発をよりスムーズに行うために開発されました。コードはシンプルで、開発初心者でも学習しやすいと言われています。実行スピードが速く、比較的不具合が起こりにくい点がメリットです。
Objective-C
C言語にオブジェクト指向の仕様を追加したのがObjective-Cです。Swiftが発表される前は、Objective-CがiOSアプリの標準開発言語でした。比較的学習コストが高いというデメリットもありますが、現在でも一定数の需要があります。
Xcode
XcodeはApple社がリリースした、iOSアプリ開発に欠かせないツールです。AppStoreにあるアプリはほぼすべて、Xcodeで作られていると言っても過言ではありません。コーディングがしやすく、直感的に開発できるのが特徴です。
Xamarin
WindowsでiOSアプリを開発するために必要なツールです。WindowsのOS上ではなく、仮想環境にMacOSを作って開発するような形になります。Xamarinでできるのはコードの記述までで、プログラムの実行はできません。
iOSの将来性とキャリア
iOSのスキルを軸にキャリア形成を考える場合、スキルの将来性や、キャリアプランの選択肢を理解しておくことが重要です。
iOSの将来性
総務省が発行した「令和2年版情報通信白書」では、モバイル向けアプリ市場規模の推移が予測されています。世界・日本ともに今後も拡大していくと予想されており、2022年には日本のアプリ売上高は181.8億ドル、ゲーム売上高は135.5億ドルまで伸びるというデータが紹介されています。

iOSのキャリアの選択肢
iOSのスキルを活かしながらキャリアアップ・年収アップを目指す方法を、PROJECT COMPの登録データから分析しました。
PROJECT COMPでメインスキルを「iOS」と登録しているデータのうち、年収900万円を超えるデータ4件の傾向を見てみると、社会人歴は最低で7年以上。サブスキルを設定しているのは2件で、AndroidとWebフロントエンド、サーバーサイド開発とシステムオペレーション(インフラ)をそれぞれ設定していました。
また、4件中3件の職種はソフトウェアエンジニア、もう1件はプログラマーでした。
スキルデータ一覧を見てみると、iOSとAndroidの両方を扱うモバイルのスキルは平均年収が910万円で、iOS単体より年収が高くなっています。