ゲームクライアントの仕事内容や将来性、年収を徹底解説

近年、スマホの普及や魅力的なゲームの登場によって、スマホでオンラインゲームを行う人が増加しています。ゲームクライアントは、スマホ、PC、家庭用ゲーム機、アーケードなどを通じて提供されるゲームのクライアント側を指し、そのクライアント側の開発、運用、保守を行うスキルを指します。
この記事では、ゲームクライアントのスキルを持つエンジニアの平均年収や仕事内容、将来性について紹介。また、ゲームクライアントエンジニアとして成功するために獲得しておきたいスキルについても解説します。
ゲームクライアントの年収
はじめに、ゲームクライアントのスキルにまつわる年収水準を『PROJECT COMP』のデータを基に解説します。ゲームクライアントをメインスキルに設定しているデータ数は31件。 そのうち年収平均、中央値は以下の通りです。
※PROJECT COMPの統計データは2022年7月19日時点のものです。
- 平均年収:630万円
- 中央値:630万円

スキルデータ一覧に登録されている職種別の平均年収を低い順に見てみると、テストの平均年収が最も低く(560万円)、Windowsアプリ(580万円)、ゲームクライアント(630万円)と続きます。そのため、ゲームクライアントの年収はPROJECT COMPの登録データの中ではあまり高くはないことが分かります。

なお、ゲームクライアントの構成データのうち、 最も低い年収は325万円(メーカー勤務、社会人歴7年目)、最も高い年収は1,010万円(ITサービス勤務、社会人歴10年目)と登録されています。ゲームクライアントのスキルにおける社会人歴と平均年収/中央値の関係は以下の通りです。
- 5年目:610万円/612万円
- 6年目:480万円/
- 11年目〜14年目:710万円/680万円
- 15年目〜:800万円/
これらのデータから、一定数社会人歴と年収の数値には相関関係があると考えられます。以下は、ゲームクライアントのスキルを持つエンジニアの平均年収/中央値を企業別に示したものです。
株式会社ディー・エヌ・エー:670万円/670万円
株式会社コロプラ:660万円/660万円
このデータからは、2つの企業にそこまで大きな年収の開きは見られませんでした。
ゲームクライアントはどんなエンジニア?
ゲームクライアントとは、主にソーシャルゲームやスマホゲームなどオンラインゲームの開発全般を行うスキルのことを指します。企業によっては、オンラインゲームに限らず、ゲーム全般の開発スキルを指す場合もあります。
この章では、ゲームクライアントエンジニアの具体的な仕事内容と必要とされるスキルについてみていきましょう。
具体的なゲームクライアントエンジニアの仕事内容
ゲームクライアントは、主にオンラインゲームの設計や実装、プログラムの修正など開発全般の業務を行います。
多くのユーザーに使ってもらえるゲームを開発することはもちろん、実際にゲームで遊ぶユーザーの声を聞きながら、柔軟なシステムの修正や仕様変更をできる能力も求められます。
ゲームクライアントエンジニアに必要な言語やスキル
ゲームクライアントはオンラインゲームの開発に加え、ゲームシステムの保守や管理までを一手に担うことも多いです。
ゲームクライアントに必要とされる代表的な言語やスキルは、以下のようなものが挙げられます。
プログラミング言語「C++」「Java」「C#」
「C++」はC言語を機能拡張した言語です。自由度が高く様々な処理を実装できる言語です。家庭用ゲーム機として知られているPlayStationシリーズやXboxシリーズ、Nintendo Switchなどにも使用されています。
「Java」はAndriodアプリ開発の現場でも使用されているプログラミング言語です。すべてのOSの仕様に適応できるという特徴があり、ゲームを様々なバージョンのOSに対応させるゲーム開発が可能になります。
「C#」は「Java」をベースとして、Microsoft社によって開発された「C++」の後継言語です。家庭用ゲーム機やPCゲーム、ソーシャルゲームの開発現場など幅広く使用される言語でゲームクライアントエンジニアにとって、とても重要なプログラミング言語だといえます。
ゲームエンジンを扱うスキル
ゲーム開発を行う際は、ゲームエンジンを活用して、ゲームシステムを設計・構築していくスキルが必要となります。世界的に使用されているゲームエンジンは「Unity」です。

2020年1月〜12月までに集計されたデータによれば、世界中で使用されたゲームエンジンの約6割は「Unity」であることがわかりました。
ゲームエンジン「Unity」を扱うことで、ゲーム開発において重複する部分は効率化しながら、ゲーム内の応用的な部分により多くの時間を割くことができます。
UI/UXに関するスキル
ゲーム開発をする際は、デバイスごとのゲームの見やすさやデザイン(UI)における知識、ユーザーがゲーム体験を楽しめる工夫(UX)に関する知識が必要です。
UI/UXの知見があることで、開発するゲームのクオリティがあがることはもちろん、デザイナーとのやり取りなどもより効率的にできるようになるでしょう。
ゲームクライアントエンジニアの将来性
近年はオンラインゲームの利用人口が増加傾向にあり、ゲームクライアントのスキルを持つエンジニアの需要もさらに高まっていくことが予測されます。
『Stack Overflow』が発表している2021年の人気プログラミング言語ランキングでは、9年連続で「JavaScript」が人気プログラミング言語1位を獲得しています。
JavaScriptは、ブラウザ上で動作するプログラミング言語で、GoogleやSafariなどを構成する汎用性の高い言語として世界中で使用されているのです。

そして、同ランキングの5位にゲームクライアントの現場でもよく使用される「Java」・8位に「C#」・10位に「C++」がランクインしています。


言語別の年収を見てみると、「Java」51,888$(日本円で約651万円)、「C#」58,368$(日本円で約733万円)、「C++」54,049$(日本円で約678万円)となっています。
需要面から考えても、将来性の見込まれる言語だといえるでしょう。
ゲームクライアントエンジニアが年収を上げるためには
『PROJECT COMP』におけるゲームクライアントの構成データを参照すると、高年収の方であればあるほど、サブスキルでiOSやAndroid、サーバーサイド開発などのスキルも保有していることがわかります。

iOSやAndroid、サーバーサイド開発などのスキルを持つエンジニアは比較的平均年収も高い傾向にあることがわかります。そのため、このようなスキルをかけ合わせることで、年収アップも期待できるでしょう。
まとめ
この記事では、ゲームクライアントの概要やゲームクライアントのスキルを持つエンジニアの平均年収について紹介しました。
最新のゲームクライアントエンジニアの平均年収について知りたい方は、『PROJECT COMP』に登録して、平均年収と年収の中央値を確認してみましょう。