Angularとは?基礎知識と特徴をわかりやすく解説

近年は様々なプログラミング言語で「フレームワーク」が使用されるようになりました。フレームワークを活用することで、短期間で効率よく、品質を保ったシステム開発が可能だからです。そんなフレームワークの一つ「Angular」の特徴などについて詳しく紹介します。
Angular(アンギュラー)とは
はじめにAngularの基本情報について解説していきます。
Javascriptのフレームワーク
Angularは、JavaScriptのフレームワークです。JavaScriptとは、クライアントサイドで主に使われるプログラミング言語で、多くのWEBアプリケーションで利用されています。
PHPなどのWEB開発で利用される言語は、ブラウザからアクセスされると、サーバーで処理を行います。その後、HTMLとしてブラウザに表示しますが、ブラウザに表示された後に処理をしてくれるのがこのJavaScriptです。
例えばGoogleが提供する『Google マップ』では、表示後の位置を移動させた時に、ページ自体の遷移なしにデータを読み込んでいます。この時「ajax」と呼ばれる非同期の処理が行われていますが、こういった時にJavaScriptが利用されています。
JavaScriptという言語において、様々な機能を簡単に利用できるようにしたフレームワーク。それがAngularです。
Googleが提供するオープンソースフレームワーク
Angularは、元々は「AngularJS」という名前で、2009年にGoogleによって開発されました。その後2016年にバージョン1からバージョン2になったタイミングで、名称が「Angular」に変更されています。このAngularとAngularJSですが、単にバージョンが違うだけではなく、仕様が異なるため、互換性がありません。
AngularJSのサポートは、2021年12月に終了しているため、これからAngularを勉強する人は、誤ってAngularJSを勉強してしまわないように注意しましょう。
Angularの特徴
次に、Angularの特徴について見ていきましょう。
双方向データバインディング
Angularでは、双方向データバインディングを採用しています。双方向データバインディングの反対は、単方向データバインディングで、両者の違いは次のようになります。
【単方向データバインディング】
jsからview:データの更新が自動的に反映される
viewからjs:イベントハンドラを使うなどして更新が必要
【双方向データバインディング】
jsからview:データの更新が自動的に反映される
viewからjs:データの更新が自動的に反映される
MVCを採用している
MVCとは、プログラムの機能をModel(モデル)/View(ビュー)/Controller(コントローラー)に分けて記述する仕組みです。多くのフレームワークで採用されており、開発規模が大きくなったり、サーバー処理とフロント処理のエンジニアが異なる場合などに、非常に効率的に開発が出来る仕組みになっています。
フルスタックフレームワーク
Angularは、様々な機能を備えたフルスタックフレームワークです。最近のフレームワークには、自由度とシンプルさを考慮した「マイクロフレームワーク」というものも存在し、それらと比較するとAngularは、それだけでWEB開発に必要な全ての機能を網羅している点で、大きなメリットがあります。
ただし、高機能な反面、学習コストが高くなるなどのデメリットも存在しますが、大規模開発ではフルスタックフレームワークを利用するのが一般的です。
開発にはTypeScriptがおすすめ
Angularの開発を行うにあたって、開発言語としてTypeScriptを利用するのがおすすめです。TypeScriptは、JavaScriptを拡張して作られたプログラミング言語で、Microsoftによって開発されました。
このTypeScriptは、コンパイルするとJavaScriptに変換されるため、互換性があります。Angularの公式のドキュメントにもTypeScriptでの記述例が多く、開発が容易になります。
また、TypeScriptはJavaScriptと違い、コンパイルする時点でエラーに気付けるなど、大規模開発に向いています。
Googleを中心に多数の企業・個人が開発をしている
Angularは、前述したようにGoogleによって発表されたフレームワークではありますが、その他の企業や個人によるコミュニティによって開発やメンテナンスをされています。そのため、非常に安定したフレームワークであると言えます。
仮にどれだけ使いやすいフレームワークであったとしても、脆弱性が発覚してから改修が行われるまでに時間がかかるようであれば、事業としてそのフレームワークを採用するには大きなリスクがあります。
また、新しい技術に対応できないまま、開発やメンテナンスが行われなければ、動きの早い現代において、大きなリスクを抱えていると言えます。
その点、AngularはGAFAMに代表されるGoogleが中心となっていますし、すでに長い歴史と運用実績があります。そのため、フレームワーク採用後の事を考えても、安全性の高いフレームワークと言えるでしょう。
まとめ
Angularの導入方法の詳細は、公式サイトから確認するのがおすすめです。基本的な使い方からデプロイまで、わかりやすく記載されています。
今回は、JavaScriptでも人気のフレームワーク「Angular」について紹介しました。Googleという大企業が開発をしていることもあり、今後も使いやすさやフレームワークとしての安定性が期待できるフレームワークです。Angularを用いた開発に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。