楽天の平均年収は?働きやすさや待遇を徹底解説

インターネットショッピングモール「楽天市場」で広く知られる楽天グループ株式会社(以下:楽天)は、1997年に創業されたIT企業です。
「グローバルイノベーションカンパニー」であることを目指す楽天は、海外にも多くの拠点を置きITサービスを中心に幅広いビジネスを展開しています。多様性やオープンな企業風土が重視されており、従業員が働きやすい環境作りへの取り組みも活発です。
今回は、楽天の基本情報や特徴、平均年収について解説します。
楽天の基本情報
楽天は1997年の創業後、インターネットショッピングモール「楽天市場」を開設しサービスを開始したIT企業です。ITサービスを中心に展開を広げ、現在は通信・金融・不動産・スポーツなどさまざまな業種の企業を傘下に有しています。楽天はこれらの幅広い企業から構成される企業集団「楽天グループ」の中核会社です。
さまざまな商品やサービスが活発に取引される場を意味する「楽市楽座」に、明るく前向きな「楽天」のイメージを合わせることにより「楽天市場」という名前が生まれました。「楽天」の社名も「楽天市場」に由来しているそうです。
(参照:よくあるご質問|楽天グループ株式会社)
1997年の創業時は従業員わずか6名で楽天市場をスタートしました。インターネット上での買い物がまだ主流でなかった時代に「誰でも簡単に店を開けるようにしたい」というコンセプトのもと、インターネットビジネスをリードしてきました。
2000年には株式公開により企業としての認知度を大きく向上させます。集客力の上昇やリピーターの獲得につながり、売上を飛躍させました。その資金によってM&Aなども行い、その後の楽天エコシステム(楽天経済圏)を形成する大きなきっかけへとつながっていきました。
楽天エコシステムとは、楽天が展開する多様なサービスを楽天会員を中心としたメンバーシップを軸に有機的に結びつける集合体を指します。具体的には2002年に開始されたポイントプログラム「楽天ポイント」を媒介として楽天の提供するサービスを利用し、そこでさらに楽天ポイントを貯めて別の楽天サービス内でも利用するという形です。これにより顧客のエコシステム内の流入拡大や流通総額の増大などの相乗効果が発揮されています。
現在に至るまでプロ野球界への参入などで知名度を拡大することに加え、ECサービスとシナジーのある金融事業の強化、電子書籍事業への参入、携帯キャリア事業の開始などでライフシーンを幅広くカバーすることで、楽天エコシステムを強化しています。
楽天は「グローバルイノベーションカンパニー」のスローガンのもと世界30カ国・地域にビジネスを広げ、70以上のサービスを提供し、世界には16億人ものユーザーが存在します。今後グローバルでも楽天エコシステムは拡大していくでしょう。ユーザー数の多さ、楽天エコシステムの広がりが楽天の最大の強みといえます。
(参照:楽天の歴史|楽天グループ株式会社 / 企業情報|楽天グループ株式会社)
楽天の社風や制度
インターネット業界やEC業界のリーディングカンパニーとして注目を集める楽天で働いてみたいと考える人は多いのではないでしょうか。そこで、実際の社風や制度、働きやすさについて見ていきます。
企業理念
楽天グループは「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」という企業理念を掲げています。具体的にはユーザーや取引先企業へ満足度の高いサービスを提供し、多くの人々の成長を後押しすることで社会を変革し豊かにすることを目指しています。
楽天ではすべての従業員が理解し実行する価値観・行動指針として「楽天主義」というものが設定されています。楽天主義は以下の「ブランドコンセプト」と「成功のコンセプト」の2つで構成されます。
「ブランドコンセプト」
- 大義名分 -Empowerment-
- 品性高潔 -気高く誇りを持つ-
- 用意周到 -プロフェッショナル-
- 信念不抜 -GET THINGS DONE-
- 一致団結 -チームとして成功を掴む-
「成功のコンセプト」
- 常に改善、常に前進
- Professionalismの徹底
- 仮説→実行→検証→仕組化
- 顧客満足の最大化
- スピード!!スピード!!スピード!!
(参照:楽天主義|楽天グループ株式会社)
この楽天主義を共通言語として、何事をも成し遂げようとするアントレプレナーシップ(起業家精神)を大切にします。従業員一人ひとりの多様性を尊重し、それぞれが最大限に力を発揮できる環境を重視する社風のようです。
社内制度
社内制度を見ても、多様性こそがイノベーションの原動力であると考え、ダイバーシティを推進する施策を積極的に実施していることが伺えます。
- 仕事と育児の両立支援
- 障害者雇用、活動促進
- 言語の共通化(社内公用語の英語化)
- LGBTQ当事者やアライ(性的マイノリティの権利擁護を支援する立場を明確にしている人)と連携した全社への啓発活動
- 柔軟な勤務体制(フレックスタイム制、時短勤務、在宅勤務制など)
これらの制度により、東京本社には現在70を超える国・地域出身の従業員が在籍しています。異文化コミュニケーションを円滑にすることを目指す講演会や勉強会も日常的に行われ、異文化理解に力を入れているようです。
また以下のような福利厚生も充実しています。
- オフィスのカフェテリアでの一日3食無料の食事提供
- ストックオプション、従業員持ち株会
- クラブ活動
- 楽天クリムゾンハウスサービス施設
- 社員寮
従業員同士のコミュニケーションや資産形成が推進されており、働きやすさが重視された環境といえるでしょう。
楽天で働くエンジニアの年収と採用情報
最後に、楽天で働くエンジニアの年収や採用についての情報を紹介します。
楽天のエンジニア募集要項を見ると、プロデューサーからアプリケーションエンジニア、データサイエンティストなど幅広い職種で採用活動が行われています。中途採用の正社員の給与は、最低提示額は月給301,000円〜、年2回の賞与・昇給は6月と12月に会社実績や本人の評価により見直しを行うとされています。一律の基準しか公開されていませんが、募集ポジションや経験によって変動することが予想されます。

エンジニア向け給与データベース『PROJECT COMP』のデータでは、楽天の平均年収は780万円、中央値は725万円となっており、業界でも高水準です。

職種別ではソフトウェアエンジニアの平均年収は730万円、プロダクトマネージャーの平均年収は960万円です。

スキル別で見るとフルスタックの平均年収が870万円と、楽天に登録されているデータの中では最も高水準となっています。

社会人歴別では3年目で平均年収700万円、4年目で平均年収740万円、6年目で平均年収860万円と、社会人歴が上がるごとに年収も増える傾向が見られました。

まとめ
本記事では楽天の社風や社内制度、年収などについて紹介しました。楽天は従業員一人ひとりの多様性を尊重し、挑戦や成長、働きやすさを重視する企業です。PROJECT COMPには他にもさまざまな企業の情報が掲載されています。転職やスキルアップの参考として、ぜひ役立ててみてはいかがでしょうか。