サーバーサイドエンジニアになるには?求められるスキルや採用されやすい人のイメージを解説

サーバーサイドエンジニアは、私たちが普段使用するWebサービスやアプリケーションの裏側(サーバー側)の処理に必要なプログラムの設計・開発を担当するエンジニアです。ユーザーからは見えない部分ですが、システムの根幹となるサーバーサイドの品質はサービス全体に影響します。
サーバーサイドエンジニアはシステム開発において設計から開発、リリース後の運用まで携わる重要なポジションです。働き方改革やDXが推進される昨今、システム開発に欠かせないサーバーサイドエンジニアの需要は拡大しています。
今回は、サーバーサイドエンジニアの仕事内容や必要スキル、企業から採用されやすい人のイメージなどについて詳しく解説します。
サーバーサイドエンジニアとは
サーバーサイドエンジニアとは、システムのサーバー側で行う処理に対して必要なプログラムの開発や保守、データの管理などを行うエンジニアです。ユーザーの目に触れないシステムの裏側を主に担当します。一方、ブラウザの画面などユーザーが直接操作するフロント部分を担当するのは主にフロントエンドエンジニアです。
サーバーサイドエンジニアの仕事内容
サーバーサイドエンジニアの主な仕事はサーバーサイドのプログラム開発や運用、システムに必要なデータの管理、バグの修正などです。また設計やリリース後の保守まで携わる場合もあります。企業やプロジェクトによって担当する範囲は異なりますが、システム開発において幅広い業務を担当するポジションと言えます。
バックエンドエンジニアとの違い
サーバーサイドエンジニアとバックエンドエンジニアの仕事内容に明確な違いはありません。各企業やプロジェクトによって定義が異なりますが、同じ意味で使われることも多いです。強いて言うならバックエンドエンジニアの名称はWeb開発を行う企業で使われることが多く、それ以外の企業ではサーバーサイドエンジニアの名称が使われる傾向にあります。
サーバーサイドエンジニアの年収
PROJECT COMPのデータでは2022年10月5日時点でサーバーサイドエンジニアの平均年収は770万円、中央値は690万円です。

企業別では最低値が株式会社サイバーエージェントの640万円、最高値が株式会社メルカリの1,240万円となっています。企業によって大きな差があることがわかります。

職種別では最低値がSI系の550万円、最高値がシステムコンサルタント/システムアナリスト/セールスエンジニアの1,430万円です。上流工程を担当する職種ほど年収が高いようです。

社会人歴別では1年目で570万円、3年目で610万円、5年目で820万円です。経験年数に比例して年収も上昇しています。

サーバーサイドエンジニアの平均年収はPROJECT COMPの登録データ全体の平均よりは4%下回るものの、所属する企業や個人のスキル、職種によって開きがあることがわかります。
サーバーサイドエンジニアに必要なスキル
サーバーサイドエンジニアになるためには、どのようなスキルが必要でしょうか。ここではサーバーサイドエンジニアに必須とされるスキルと、より市場価値を上げて需要を高めるための方法について解説します。
サーバーサイドエンジニアに求められるスキル
サーバーサイドエンジニアに必須のスキルは以下のとおりです。
プログラミングスキル
開発を行うためのサーバーサイド言語を用いたプログラミングスキルは欠かせません。たとえば株式会社サイバーエージェントのサーバーサイドエンジニアの求人では、「Webアプリケーションの開発、運用経験」が必須スキルとなっています。

開発言語/環境としてScalaやGoをはじめさまざまなサーバーサイド言語が記載されているため、なるべく多くの言語に対応できると活躍の場は広がるでしょう。
フレームワーク・ライブラリの知識
フレームワークは開発のためのテンプレートのようなものを指し、ライブラリは汎用性の高いコードを再利用可能な形でまとめたものを指します。どちらも作業効率を上げ開発を支援するもので、多くの開発現場で利用されています。プログラミング言語とともに、言語ごとの代表的なフレームワーク・ライブラリの知識も必須です。
ミドルウェアの知識
ミドルウェアはOSとアプリケーションの間に位置するソフトウェアです。特にWebサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーを扱うスキルは必須とされます。代表的なものはApache、Nginx、IIS、Tomcat、MySQLなどがあげられます。
データベースの知識
システムはデータベースと連携して必要なデータをやりとりするため、データベースに関する知識も必要です。データベースを操作・制御するための言語であるSQLも併せて習得するといいでしょう。
さらに将来性の高いサーバーサイドエンジニアを目指すには
さらにサーバーサイドエンジニアとしてスキルアップするには、以下のような方法がおすすめです。
インフラやセキュリティの知識を習得する
サーバーやネットワークなどのインフラ構築・運用は主にインフラエンジニアが担当することが多いですが、サーバーサイドエンジニアが携わる場合もあります。またサイバー攻撃などからシステムを守るためのセキュリティ知識があるエンジニアは重宝されるでしょう。
フロントエンドのスキルを習得する
システム開発はサーバーサイドとフロントエンドで連携して行います。フロントエンドの知識があれば、フロントエンド側のシステムも考慮したレベルの高い開発ができるでしょう。またフロントエンドエンジニアとのコミュニケーションも取りやすくなります。
クラウドに関する知識を習得する
最近はオンプレミスからクラウドへ移行する企業が増えてきています。今後も増加が見込まれており、クラウド環境での開発案件が主流となっていくでしょう。そのためクラウドに精通したサーバーサイドエンジニアの需要が高まると考えられます。
サーバーサイドエンジニアに採用されやすい人とは?
サーバーサイドエンジニアに採用されやすい人とは? サーバーサイドエンジニアに向いているタイプや、企業が採用したいと考える人物像について解説します。
課題解決力を持つ人
サーバーサイドエンジニアはバグの修正やエラーの対応、クライアントの要望の実現など、さまざまな課題の解決を求められる機会が多いです。株式会社ディー・エヌ・エーのサーバーサイドエンジニアの求人では、求める人物像として「発生した事象に対して本質の課題に向き合える力」、「課題や課題に向けた対応を正しく伝えるための言語化能力」などが挙げられています。原因を特定して課題に向き合い、解決策を論理的に考え迅速に対応できる力を持つ人には向いているといえます。

コミュニケーションスキルが高い人
システム開発はチームで行うため、情報共有や進捗確認など多くの人と接する機会が多いです。またサーバーサイドはフロントエンドやインフラなどほかの分野とも連携するため、さまざまな場面でコミュニケーションが求められます。幅広い知識を持ちあらゆる人と円滑なコミュニケーションを取れる人は評価されるでしょう。
まとめ
サーバーサイドエンジニアの仕事内容や年収、必要なスキル、採用されやすい人のイメージなどについて解説しました。サーバーサイドエンジニアはシステム開発の中心とも言える重要なポジションです。PROJECT COMPのデータもぜひ参考にしてください。