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2022.02.09
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PROJECT COMP アニュアルレポート 2022 エンジニアの企業別年収分布を発表

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エンジニア向け給与データベースサービス「PROJECT COMP」では、みなさまにご登録いただいた給与データを世の中に還元すべく、2022年のアニュアルレポート(年次報告書)を作成しました。

昨年のエンジニアの年収動向はどのようなものだったのか。ぜひ今後のキャリアを考えるきっかけにしていただければ幸いです。

※注1:本レポートでは2022年の1年間に登録されたユーザーデータのうち一部企業に絞った1012データを対象に調査。年収の定義は対象企業における基本給+賞与としている(賞与がない場合は基本給のみ)。

※注2:対象職種はソフトウェアエンジニアを中心として、ソフトウェアエンジニアリングマネージャー、プロダクトマネージャー、データサイエンティストなどのテック系職種を含む(詳細はPROJECT COMPの職種一覧を参照)。以降、各コーナーで職種を限定しない限り同様。

2022年登録数上位企業の年収中央値

はじめに、2022年に登録数が多かった企業上位20社を登録数順に並べ、年収中央値をグラフ化しました。各企業の25%ile(※)から75%ileまでの年収レンジもプロットしています。

※25%ile(パーセンタイル)とは、登録データのうち下位25%の年収を指す
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グラフを見ると、Indeed Japanの年収中央値が2000万円と圧倒的に高い年収水準であることが分かります。次にSmartNews(1100万円)、クラウドネイティブ(965万円)と続きます。

25%ileと75%ileの差が最も大きかったのは、中央値が最も高かったIndeed Japanで、25%ileが1900万円だったのに対し、75%ileは2350万円という結果でした。他にも、クラウドネイティブやディー・エヌ・エー、リクルートなどの企業も25%ileと75%ileの差が比較的大きい傾向が見て取れました。

これには、グローバル市場を主力とした事業を展開しているケースや、新卒採用を積極的に行っているケース、もしくは希少性の高いポジションの待遇を上げている、などの理由が考えられそうです。

一方、弁護士ドットコムやサイバーエージェント、DMM.comといった国内サービスを中心に扱う企業においては、25%ileと75%ileの差が比較的小さい傾向にあることが分かりました。

各企業の上位25%の年収ランキング

次に、「各企業の上位層がどのくらいの年収水準なのか」の目安として、各企業の上位25%の年収をランキングにし、トップ20社をグラフにしました。

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1位はGoogle Japanで2375万円。次にほぼ同水準のIndeed Japan(2350万円)、アマゾンウェブサービスジャパン(2035万円)と続きます。グラフを見ても分かる通り、トップ3の企業は2000万円を超える水準で、他企業と大きく開きがあります。

続いて、4位から10位までの7社が1000万円を超える水準になっており、そのうちPreferred Networks、クラウドネイティブなど、計6社が国内IT企業という結果でした。

外資系企業の年収が目立つ一方で、国内IT企業の中にも、100人に25人以上の割合で1000万円以上の年収を目指せる企業が出てきていることが分かります。

各企業の下位25%の年収ランキング

次に、「その企業で一般的にはどのくらいの年収水準を目指せるのか」の目安として、各企業の下位25%にあたる年収をランキングにし、トップ20社をグラフにしました。

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1位はIndeed Japanで1900万円。次にGoogle(1700万円)、アマゾンウェブサービスジャパン(1175万円)、Preferred Networks(1035万円)と続き、5位のSmartNews(1030万円)までが1000万円を超える水準となっています。

上位25%のランキングでは、僅差でGoogle JapanがIndeed Japanを上回っていましたが、下位25%ではIndeed Japanが200万円ほど高い結果になりました。

国内IT企業のソフトウェアエンジニアの年収中央値ランキング

続いて、国内動向にフォーカスし、かつ職種傾向による差異を除くため、国内IT企業のソフトウェアエンジニアに絞って年収中央値を算出し、トップ20社をランキングにしました。各企業の25%ileから75%ileの年収レンジもプロットしています。

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国内IT企業のソフトウェアエンジニアの年収中央値はSmartNewsが1100万円と最も高く、その次にLINE(885万円)、メルカリ(870万円)と続く結果となりました。このトップ3社が他企業と比較して、一段階高い水準となっていることが見て取れます。

25%ileと75%ileの差に関してはfreeeが最も大きく、25%ileが502万円だったのに対し、75%ileでは845万円という結果でした。その他、ディー・エヌ・エーやサイボウズなどの企業も25%ileと75%ileの年収レンジが広いことが分かりました。

国内のWeb系企業とSI/通信/メーカー系企業の職種別年収中央値の比較

次に、業界によって年収水準がどれくらい違うのかを調査するために、Web系企業(※)とSI/通信/メーカー系企業の年収中央値を職種別に比較しました。各職種の25%ileから75%ileまでの年収レンジもプロットしています。

※PROJECT COMP独自の定義で企業群を分類
 Web系企業:自社のITサービスを主に自社開発で提供している企業
 SI系企業:受託開発を主とする企業
 通信系企業:携帯キャリアなど通信インフラを提供する企業またはその子会社
 メーカー系:家電や自動車などのメーカーまたはその子会社
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ソフトウェアエンジニアの年収中央値は、Web系が700万円に対してSI/通信/メーカー系が600万円と、100万円の違いがあり、25%ileから75%ileまでの年収レンジも約100万円ずれています。

ソフトウェアエンジニアリングマネージャー(以下、EM)の年収中央値は、Web系が869万円に対してSI/通信/メーカー系が1000万円と、130万円ほどの違いがあり、ソフトウェアエンジニアと逆転しています。

Web系のEMの25%ileから75%ileまでの年収レンジは801万円から1101万円と広く、75%ileの値はSI/通信/メーカー系とほぼ同じ値になっています。一方で、SI/通信/メーカー系では950万円から1100万円と、年収レンジが相対的に狭くなっています。

SI/通信/メーカー系では現場経験を十分に積んでからEMを担う傾向があることに対し、Web系では比較的早い段階からEMを担うこともあり、その傾向が年収分布に出ている可能性がありそうです。

プロダクトマネージャーの年収中央値は、Web系が915万円に対してSI/通信/メーカー系が600万円と、300万円以上の大きな違いがありました。

主に現場で開発を行うソフトウェアエンジニアの年収はWeb系の方が高く、マネジメントを担うEMではSI/通信/メーカー系の方が高く、プロダクトマネジメントではWeb系の方が高いという、職種による違いが表れた結果となりました。

国内のスタートアップとメガベンチャーの職種別年収中央値の比較

最後に、スタートアップとメガベンチャーで年収水準がどれくらい違うのかを調査するために、スタートアップ(※)とメガベンチャーの年収中央値を職種別に比較しました。各職種の25%ileから75%ileまでの年収レンジもプロットしています。

※PROJECT COMP独自の定義で企業群を分類
 スタートアップ:主力事業で自社サービスを提供しており、VCやCVCからの調達実績があり、未上場の企業
 メガベンチャー:主力事業で自社サービスを提供しており、上場している企業(上場後にM&Aされた企業も含む)
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ソフトウェアエンジニアの年収中央値は、スタートアップが750万円に対してメガベンチャーが700万円と、50万円の違いがあります。また、75%ileでは、スタートアップが980万円に対してメガベンチャーが849万円と、130万円ほどの違いがありました。

メガベンチャーでは未経験者の採用や育成を行っている企業もありますが、スタートアップではより即戦力人材を求める企業が多く、その傾向が年収分布に表れている可能性もありそうです。

EMの年収中央値は、スタートアップが869万円に対しメガベンチャーが850万円と、比較的近い値になりました。一方で、メガベンチャーの25%ileから75%ileの年収レンジは広く、75%ileで比較すると、スタートアップ900万円に対してメガベンチャーが1200万円と、300万円の違いがあります。

メガベンチャーのEMは、数人から数十人以上のマネジメントを行うポジションまで幅広く、またスペシャリストのマネジメントなど対象の職種も多岐に渡ることが想定されます。より規模が大きい組織や難易度の高いマネジメントが求められるポジションには多くの報酬が支払われる傾向があるため、75%ileの値が高くなっているとも考えられます。

また、スタートアップ内でソフトウェアエンジニアとEMで職種比較をすると、年収中央値はソフトウェアエンジニア(750万円)よりもEM(869万円)の方が高い一方で、75%ileではソフトウェアエンジニア(980万円)の方がEM(900万円)よりも高くなっています。スタートアップでは、シニアなEMよりもシニアなソフトウェアエンジニアの方が必要な人数が多いため、その傾向が年収分布に出ている可能性もありそうです。

プロダクトマネージャーの年収中央値は、スタートアップが1000万円、メガベンチャーが915万円と他の職種と比較して高い水準で、スタートアップの方が85万円高くなっています。

スタートアップのプロダクトマネージャーの75%ileは中央値とほぼ同水準になっており、1000万円前後にデータが密集していることがわかります。メガベンチャーのプロダクトマネージャーの1000万円の年収位置は72.7%ile(別途計算)になっており、メガベンチャーの上位30%に入るような年収水準のプロダクトマネージャーがスタートアップに転職している可能性も考えられそうです。

インフラエンジニアの年収中央値は、スタートアップが1000万円、メガベンチャーが600万円と、400万円ほどの違いがあり、25%ileから75%ileの年収レンジの位置も大きく異なっています。スタートアップではインフラエンジニアのポジションが限定される中で、立ち上げなども含めて全責任を負う傾向があることも、一つの要因として考えられます。

最後に

今回はPROJECT COMPに2022年に登録されたデータを多角的に調査しました。

外資系IT企業の年収水準の高さがやはり目立つ一方で、SmartNewsやLINE、メルカリなどの企業は国内企業の中でも、ソフトウェアエンジニアの年収水準について他社と大きく差を付けていることが分かりました。

また企業によって25%ileと75%ileの年収レンジが大きく異なるという結果は、企業選びの上でも参考になりそうです。例えば年収レンジが相対的に広い企業であればポジションや実績次第で年収が変わりやすいと想定でき、逆に年収レンジが狭い企業であれば、入社後の年収期待値が予測しやすいといったことが考えられるかもしれません。

PROJECT COMPでは、中央値だけでなく平均値や4分位点などのさまざまな角度で職種や社会人歴、企業ごとの年収水準を知ることができます。今回のレポートで気になった企業などがあれば、ぜひPROJECT COMPで改めて調査してみてください。

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